《第一部》ロシアの作曲家 (No.4) グラズノフ (1865~1936) / 《第二部》ロシア民謡「ステンカ・ラージン」
《第一部》グラズノフ
○これまで、ロシアの作曲家3人をとり上げました。
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◉ドヴォルザーク(1841~1904)
◉チャイコフスキー(1840~1893)
◉ムソルグスキー(1839~1881)
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今回は4人目として、
◉グラズノフ(1865~1936)を取り上げます。
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○グラズノフは、リムスキー=コルサコフに個人指導を受け、ロシア国民楽派およびチャイコフスキーの次の世代として、両派の要素を統一し、ロシア-アカデミズムといわれる近代ロシア音楽出現前の正統派の音楽を確立した。
○作品はオペラ以外のあらゆる分野にわたり、特に管弦楽作品にすぐれたものが多い。ソヴィエト政権下でレニングラード音楽院院長を務めたが、1928年よりパリに移住。
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クラシック音楽ファンの私は、1000枚以上のCDを持ってますが、その中からグラズノフの著作を取り出しました。
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○交響詩「ステンカ・ラージン」・他
○バレエ音楽「四季」
○ヴァイオリン協奏曲(グラズノフ・ドヴォルザーク「ヴァイオリン協奏曲集」のうち)
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《第二部》ロシア民謡「ステンカ・ラージン」
○学生時代、ロシア民謡「ステンカ・ラージン」を思い切り歌ったものです。当時の学生たちの憧れは「ロシア」であり、ロシア民謡でした。
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♪『ステンカ・ラージン』
~与田凖一訳詩・ロシア民謡
久遠に轟く
ボルガの流れ
目にこそ映えゆく
ステンカ:ラージンの船
ペルシアの姫なり
燃えたる唇と
うつつに華やぐ
うたげか 流る
ドンコサックのむれに
今湧くそしり
奢れる姫なり
飢ゆるはわれら
その昔かえらず
ボルガの流れ
醒めしやステンカ・ラージン
眉根ぞかなし
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◉ステンカ=ラージン ~ 世界史の窓(y.history.net)
ステンカ=ラージンは、ロシア民族の英雄であり、民謡「ステンカラージン」は広く歌われている。作曲家グラズノフは交響詩「ステンカラージン」を作曲した。
○1670年、ロシアのドン=コサックが起こした農民反乱。17世紀の危機の一つの現れであった。
○1670年、ロシアのロマノフ朝に起こった農民反乱を指導したドン=コサックの首領。
◉コサックの指導した農民反乱
○コサックはロシアのモスクワ大国時代、農奴制が強化されて、農奴への収奪が激しくなったとき、自由を求めて南ロシアの草原地帯に逃れ、半農耕・半遊牧の生活を送るようになった人々をいう。
○ドン=コサックとは、南ロシアのドン川流域で活動していた自治的な戦士集団であり、たびたび黒海沿岸やカスビ海沿岸に遠征し、略奪行為を繰り返していた。
ラージンの率いるドン=コサックは、ヴォルガ川の中下流域でロシアから独立を目指して反乱を起こし、アストハンを拠点としてロシア帝国に抵抗した。
○ロシアはそれまで、コサックに自治権を与え、トルコなどからの国境整備などに利用していたが、ラージンの反乱に対しては弾圧に転じた。ステンカラージンは捕らえられ、翌年モスクワの赤の広場で、四つ裂きの刑で殺され、反乱後全てのコサックはツァーリへの忠誠を誓わされ、その自治権は大幅に奪われた。
○ステンカラージンの記憶は民衆の中に長く記憶され、約百年後の1773年に起こった農民反乱・プガチョフの反乱につながっている。
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◉ロシア民謡「ステンカラージン」
ステンカラージンはロシア民族の英雄であり、民謡「ステンカラージン」は広く歌われている。作曲家グラズノフは交響曲ステンカラージンを作曲している。ロシア民謡ステンカラージンは、日本でもよく知られている。
◉スチェパン・ラージン
○スチェバン・チモフェエヴィチ・ラージンは、コサックのアタマン*で、モスクワ、ロシア南部において貴族とツアーリの官僚機構に対する大掛かりな抵抗運動を指揮した。
*アタマン、アタマーンは、コサック共同体で選出される指導者の称号。
日本でもいわゆるロシア民謡である『ステンカ・ラージン』と共に名高い。
○しばしばステンカラージンとも呼ばれるが、「ステンカ/ステニカ」は「ステパン/スチェパン」の縮小形の一つで、愛称・卑称として用いられる。(ウィキペディア)
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文と写真=Atelier秀樹
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『秀樹杉松』136巻4055号 2023.1.11 hideki-sansho.hatenablog.com #1095