新聞広告の「阿刀田 高」(アトウダ タカシ) 氏の名前を見てビックリ。「元気で書いてるんだ!」と早速書店へ。5、60年ぐらい前でしょうか、10年近く同じ職場で働いていた者として親近感を覚えます。作家・文化人として目覚ましい活躍を見せる、阿刀田氏に対する敬愛の気持ちでいっぱいです。
阿刀田高氏は2003年に紫綬褒章、2009年に旭日中綬章、2018年に文化功労者。庶民の私から見れば、今や”雲の上の人”です。おめでとうございます。
<註>文化功労者 文化の向上発達に関し特に功績顕著な者を指す称号。文化人にとっては文化勲章に次ぐ名誉(ウィキペディア)
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↑ 阿刀田 高 [著]『小説作法の奥義』 (新潮社) 表紙カバー
↑ カバー帯
↑ 新聞広告
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『小説作法の奥義』は、小説を書こうとする人を対象の本でしょうが、そんなことに無関係の私(秀樹杉松)は「阿刀田高さんの書いた本だから」買って読みました。実際に読んでみると、”小説の話”ばかりではなく、いやむしろ“人生の話”いっぱいで、大きな示唆と感動に包まれました。皆さんにもお薦めいたします。
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10章からなっているが、私は ⑩花は散るために咲く に感動しました。
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「『花の命』これも読んだ」「うん?」「あんたの究極の死生感を語っているな、あれは」「そうかな」「そうだろう。"花は散るために咲く”をモチーフにして」「まあ、そうかな」、、、、花だっていつまでも咲き続けているのは、つまらない。散る花が美しいの」「それは・・・わかります」
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最終章「花は散るために咲く」の ENDING
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「どっちが先か。とにかく花は散るために咲くんだろ」「ああ」
人はみんな死んでいく。そこにこそ意味がある。意味を持たせなければなるまい。文学の役割はそのあたりにあるのかもしれない。「花の命」を、もう一度読み返してみよう。
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「人間も同じ。人間は死ぬから深いの。そこにはAI は入り込めやしないわ」「そうなんだ」「”花は散るために咲く”わかります?」「はい・・・」「いいことばでしょ。散ることが尊いの。
散るからこそ咲いている時がすばらしいの」「”花は散るために咲く”ですか」「そう」。
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阿刀田高『小説作法の奥義』
間も無く米寿、年をとり、自分の仕事を顧みて、わからないところの誕生を、その情況を少しく探ってみたくなった。(略)
五十余年執筆を続けてきた老爺の、人生に対する未練、それを気ままに綴る試みをお許しいただきたい。(本書「はじめに」から)
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阿刀田 高(あとうだたかし)
◉プロフィール
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◉履歴
○日本推理作家協会会長(1993-97)
○日本ペンクラブ会長(2007-2011)
○紫綬褒章(2003)
○旭日中綬賞(2009)
○文化功労者(2018)
○山梨県立図書館館長(2012就任)
○同館名誉図書館長
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◉代表作
○『冷蔵庫より愛をこめて』(1978)
直木賞候補
○『ナポレオン狂』(1979)
第81回直木賞受賞
○『ギリシャ神話を知ってますか』(1981)
○『新トロイア物語』(1994)
第29回吉川英治文学賞受賞
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◉主な受賞歴
○日本推理作家協会賞 (1979)
○直木三十五賞 (1979)
○吉川英治文学賞 (1995)
○旭日中綬章受勲 (2009年)
○文化功労者 (2018年)
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◉著書
○初期著作 12
○ショートショート・小説 92
○エッセイ・対談 39
○古典もの 21
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文と写真=Atelier秀樹
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『秀樹杉松』136巻4049号 2022.12.22/ hideki-sansho.hatenablog.com #1089