○直木賞の『しろがねの葉』(千早茜著)に出てくる漢字・語句を、前号に列挙しました。その中の「四葩」(ヨヒラ)と「胎闇」(ハラヤミ)」の二つには、今回初めて出会いました。
○「四葩(よひら)」という言葉・漢字を、千早茜著『しろがねの葉』を読んで初めて知りました。もちろん、葩(ヒラ)=片(ヒラ)も。何せ「葩」という漢字は全く見たことがなかったのです。俳句の季語なそうですから、関係者には”常識”でしょうが、、、。
○「四葩」「胎闇」はふだん見かけないので、『学研漢和大字典』『角川漢和中辞典』「スマホ検索」などで調べまくりました。とりわけ「葩」は初めて見る漢字で、振り仮名がなければ読めませんでした。スマホ検索で、やっと四葩(よひら)にアクセスできました。
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<アジサイ>
◉アジサイ(紫陽花)は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木の一種。広義には、アジサイ属植物の一部の総称。狭義には品種の一つの和名。他との区別のため、ホンアジサイと呼ばれることもある。原種は日本に自生するガクアジサイ ~(ウィキペディア)
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ユキノシタ科(アジサイ科」」の落葉低木。ガクアジサイを母種として日本で生まれた園芸品種で奈良時代からあったといわれる。名は蒼い花がかたまって咲く様子から名づけられた。~(「日本大百科全書」)
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◉あぢさえ・あぢさゐ・あづさえ・あづさゐ―-校勘を巡る一試論(武井和人)~(国立国会図書館リサーチ)
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◉紫陽花をどうしてアジサイと呼ぶの?
「あじさい」という名前は、「あづさヰ」という言葉がが変化してできたもの。あづさヰは「あづ」と「さヰ」という単語に分解できる。「あづ」とは、小さなものが集まっている様子を表す言葉。
「さヰ」は藍色の花や、真藍(さあい)を表す。「あづ」プラス「さヰ」で、藍色の小さな花が集まって咲いている様子を見事に表した名前。(in-natural.style)
<編註>!
そのまま引用させていただきました。但し、「あづさヰ」は正確には「あづさゐ」で、カタカナが「アヅサヰ」ではないでしょうか? 「ヰ」はカタカナ、「ゐ」はひらがな、ですから。
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○本あじさい=アジサイ科アジサイ属に属する低木落葉樹の一つの品種「アジサイ」の通称。
日本で単に「あじさい」といった場合ほとんどが「本あじさい」のことを指す。
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○額あじさい
日本に自生するアジサイ科アジサイ属の低木落葉樹の一品種で、「本あじさい」の原種「ガク
アジサイ」のこと。小さな花が集まった花序の周囲を、装飾花が絵の額のように囲っていることが「額あじさい」の名称の由来。(lowch.com)
<編注> 三つの写真は、手許の『日本大百科全書1』から転載。
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◉四片(よひら)とは?意味や使い方
精選版 日本国語大辞典「四片」の解説
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よひら【四片】
花弁が四枚あること。また、その花弁。紫陽花(あじさい)の花をいう。《季・夏》
【補註】現代俳句では、しばしば「四葩」(葩(は)は花びらの意)の文字を当てる。
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◉「四葩」は何と読む?
難読漢字クイズ|美しい日本語(43)(mametoku.community2)
あじさい:紫陽花はいくつもの異名を持っている。花が開いてから色が変化するところから、七変化や八仙花(はっせんか)という名も持っている。それらの異名の中に四葩というのがあるのですが、何と読むでしょうか?
正解は、四葩(よひら)でした。花弁が4枚あることから、四葩と呼ばれます。葩は花びらの意。「よひら」という音の響きが素敵ですね。
あじさいと言えば、土壌の酸性度によって花の色が変わることはご存知。一般に土壌が酸性ならば青、アルカリ性ならば赤色の花になる。開花から日を経るごとに、花の色が少しずつ変化していくのもあじさいの花の特徴。同じ花でも、見るたびに新しい表情を見せてくれます。
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◉国立国会図書館 レファレンス協同データベース(crd,ndl.go.jp)から
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あじさいの別名とその由来を知りたい。特に「ヨヒラ」について、
(回答)
⚪︎四片/四葩(ヨヒラ)...........もとの意味は「花弁が四片あること」。特に俳句でいう。季<夏>(『広辞苑』)
⚪︎七変化(シチヘンゲ).........咲き始めから時間が経つにつれ色を変えることから(『よくわかる俳句歳時記』)
⚪︎オタクサ……シーボルトが滞在中に愛した遊女の名前が楠本滝。シーボルトはアジサイの花をこよなく愛し、「オタクサンバナ」「オタクサ」などと呼んだ。(『図説花と樹の大事典』)
<編注>
シーボルトが愛した遊女タキをタク・オタク・オタクサ・オタクさん(外国人なので、キをクと発音)と呼んで可愛がったのでしょう。
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◉「葩」の解説ー漢検 漢字ぺディア
「葩」
音=ハ 訓=はな・はなびら
<意味>
①はな。はなびら。「葩卉(はき)」②はなやか。( kanjipedia)
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◉「葩」の部首・画数・読み方・意味ー漢字辞典
漢検の級:1級、音読み:ハ、訓読み:花・はなびら (dictionary.goo.ne.jp)
四葩はアジサイの別称。花弁が四枚であることから。特に、俳句で用いる語。季語「夏」
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◉紫陽花の別名5種類!七変化や四片、オタクサ……/ forties-text.com
紫陽花の別名を5種類紹介します。
⚫︎七変化(しちへんげ)
⚫︎四片・四葩(よひら)
⚫︎手毱花(てまりばな)
⚫︎オタクサ
⚫︎八仙花(はっせんか)〜(forties-text.com)
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◉紫陽花(アジサイ)の別名【全9種類】~ new-seasons.net
⚫︎四片・四葩(よひら)
⚫︎七変化(しちへんげ)
⚫︎手鞠花(てまりばな)
⚫︎オタクサ
⚫︎八仙花(はっせんか)
⚫︎またぶりぐさ
⚫︎止毛久佐(トモクサ・シモクサ)
⚫︎額花(がくばな・がくのはな)
⚫︎本紫陽花(ほんあじさい)(new-seasons.net)
<註>またぶり=また(叉・椏) になった木の枝 。椏(また)=木の枝のくぼみゆがんだところ。
<註>「七変化」という品種名の紫陽花もある。
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○国語大辞典(小学館)
よひら【四片】
花弁が四枚あること。また、その花弁。
○広辞苑(昭和58年版)
よひら【四片】
花弁が四片あること。四弁。
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文・写真=Atelier秀樹
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『秀樹杉松』138巻4090号2023.3.4/hideki-sansho.hatenablog.com1130