秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

千早茜『しろがねの葉』を読む(2)

 

第168回直木賞受賞作 千早茜 著『しろがねの葉』(新潮社)

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○第168回直木賞を受賞した『しろがねの葉』(千早茜著)の書評や感想を調べたら、たくさん出てきました。皆さんはちゃんと文章にまとめているんですね。その中の一つに目が留まりました。

「……難しい漢字や知らない語句もたくさん出てきて、すんなり頭に入っていかない。直木賞というよりも、芥川賞でも良かったのでは?(GAVI)。

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○確かに、読めない漢字や難しい語句・文章などが出てきますね。「文学部出身者には敵わないな」といつも思う。著者の千早茜さんは(カバーを見たら)「北海道生まれ」としか出ていない。ウィキペディアで調べたら、やっと出てきました。

立命館大学文学部人文総合インスティテート」卒業。なるほど、流石!

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カバーには「一九七九年北海道生まれ」とあるので、年齢は44歳?。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞、作家デビュー。泉鏡花文学賞島清恋愛文学賞渡辺淳一文学賞受賞直木賞受賞者に相応しいですね!

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GAVIさんのおっしゃる「難しい漢字や知らない語句」は、文学作品では当たり前のことかとは思いますが、普段は使わない・拝見しない・読めない漢字が、確かに多いですね(ちゃんと振り仮名はされている)。

本書の中からその一部を取り上げますが、かかる語句を駆使して小説を綴るのですから、私には千早茜さんが”神様”に見えます

 

囲炉裏イロリ、双眸ソウボウ、産屋ウブヤ、ムシロ、カマド、蜘蛛クモ、埋火ウズミビ、莫迦バカ、餓鬼ガキ、魑魅魍魎チミモウリョウ、木下闇コノシタヤミ、草履ゾウリ、キノコ、注連縄シメナワ、木通アケビ扶持ブチ、逃散チョウサン、カラス、シロガネ、銀掘カネホリ、コブ、稲藁イナワラ、草鞋ワラジ、苛立イラダち、籾米モチゴメ、痙攣ケイレン、咄嗟トッサ、ツタ、団扇ウチワ、ハサミ、カエル、朦朧モウロウ、カジる、マタタく、ウナる、間歩マブ、襤褸ボロ、煙管キセル羊歯シダ、銅鑼声ドラゴエ、胎闇ハラヤミ、コす、マブタ、黄泉ヨミの国、ウタう、カユ、サジ、躑躅ツツジカメ、タキギ、カンザシ、紙垂シデ、欠伸アクビ、蝸牛タツムリ、花独活ハナウド、柄杓ヒシャク、脚絆キャハン、戯言ザレゴト、縄を綯ナう、蜥蜴トカゲ、醜女シコメ、瓢箪ヒョウタン、栄螺サザエ、四葩ヨヒラ、匕首アイクチ、磊落イラク自棄ヤケ、茱萸グミ、カシマし、イブカしむ、巫女ミコ、タライ、ネヤ、矜持キョウジ、烟草タバコ、悪阻ツワリ、蔓葦ツルヨシ、ハリツケ、鬼灯ホオズキ足半アシナカ、吃驚ビックリ、釣瓶ツルベ、隻眼セキガン、クサリ、胡座アグラ、酸葉スイバ、ハリツケ、半纏ハンテン、狐狸コリ、螺鈿ラデン、女衒ゼゲン、吃驚ビックリ、禿カムロ、浅葱アサギ、桔梗キキョウ、山茶花サザンカナツメ、オコリ、烏野豌豆カラスノエンドウメカケ、ツブテ、ノミ、糸瓜ヘチマ、項垂ウナダレれ、流石サスガ、サビ、ホコリ、贔屓ヒイキ、松明タイマツ、ムシる、ムせる、ウズクマる、枇杷ビワ、懸想ケソウ、クルワ、褞袍ドテラ、オボロ、山蛭ヤマビル、トバリ、

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文・写真=Atelier秀樹

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『秀樹杉松』138巻4089号2023.3.1/hideki-sansho.hatenablog.com1129