秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

<特報>ロシアによる、ウクライナ侵略戦争 ~ ロシアから・ウクライナからの勇気ある告発!

 

 

全世界が注視しているウクライナ情勢ですが、きのう・きょうの新聞で、二つの重要なことが報じられました。要旨を紹介します。危険を顧みない、ロシアからそしてウクライナからの、真実の訴え NO WAR に、耳を傾けましょう!

1)プーチンは、ロシアをも殺したのです」~ ロシア反体制派知識人の手記

2)「ロシアという国が恥ずかしい」~ ウクライナ作家クルコフ氏の緊急寄稿

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1)ロシア反体制派知識人の手記

◉「プーチンは、ロシアをも殺したのです」  

  ~朝日新聞』2022年3月15日(朝刊)より

 

ロシアに住み、プーチン大統領が始めたウクライナへの侵攻に反対する、ある女性から寄せられた手記、の一部を紹介します。

○「私たちは衝撃を覚えています。あぜんとしている。がくぜんとしている。私たちとは、ウラジーミル・プーチンを一度も支持したことがない市民層のことです。私たちは常日頃、この男はいずれ国と世界を破局へ導くと述べてきましたが、それが現実となったのです。・・・今に一番恐ろしいことが起こると、誰もが知っていたにもかかわらず、それが本当に起こると信じることができなかったのです」

○「国外にいる息子が電話してきて、私にいうのです。おかあさんは侵略者の国、占領者の国で暮らしているのだね。そうね、ほんとうだね。こう認めることは恐ろしいが、それも白日の下にさらされた」

○「どんな攻撃も罪悪です。でもウクライナの人たちは、実際私たちの親戚で兄弟なのです。何世代にもわたって同じ国で一緒に生きてきた。プーチンが言っていることは全然ちがう。とてもたくさんの親戚や友人たちがウクライナにいるのです

○「ヒトラーキエフを爆撃したことを私の父は覚えています。ところが、こんどはプーチンです。ウクライナとの戦争で用いられる物言いを聞くだけで、胸をナイフで刺されたような気がする。・・・まるで小学校の歴史の教科書の中に転げ落ちてしまったようだけれど、ただ私たちは今、解放者の側でなく、占領者の側にいる

○「ある知り合いの家では、母親が戦争反対、リベラル派です。父親はプーチン支持です。際限なく口論し、今は離婚したがっている。彼らは80代の老人です。諸場でも2人の若者が殴り合いになるところでした」

○「プーチンに従わず、反プーチンのデモに何年も参加してきた私たち自身、とても悪い立場に置かれています。私たちはプーチンにも、西側にも、自分自身の良心にも、いちどきににたたかれ続けているのです」

○「戦争への態度を表明することすら難しい。戦争を戦争と言うことすらできない。私たちのプロパガンダ用語では、今起こっていることは戦争ではなく、特殊作戦だという……。戦争反対の署名のために仕事を辞めさせられるデモに出れば、棍棒で殴られたうえに監獄へ入れられるフェイスブックにあからさまなポストをすれば、これも監獄へ入れられる恐れがある」

○「私たち皆の考えでは、プーチンウクライナだけでなく、ロシアをも殺したのです。精神的にも、経済の上でも」

 

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「ロシアという国が恥ずかしい!」

 〜ウクライナの国民的作家 アンドレイ・クルコフ

  朝日新聞』(2022年3月16日(朝刊)への緊急寄稿 

○「この戦争が終わり、ウクライナが独立を守り通したら、また日本を訪れたい。妻と子どもたちに、日本を見てほしい。果たしてそんな日が来るだろうか」

○「私たちは退却せず、独立と自由を保たなければならない降伏もしない。降伏するとは、ロシアの人々になることだ。従順で声を張り上げない。多くは無言で、もしくは声高に大統領を支持大し、彼の決断やその結果に目を向ける。――」

○「キエフに止まるべきか、脱出を試みるべきか。今となってはどちらがより危険なのかわからない。まだ脱出していない人々は、街を出ることを恐れる。多くの家族がロシア兵によって射殺された

○「ロシアの侵攻は、私に二重の苦痛をもたらしている。第一に、ロシアが私の国、ウクライナを侵略しているからだ。第二に私はロシアで生まれ、民族的にもロシア系だ。・・・私の母語はロシア語で、これまでの小説は全てロシア語で書いてきたし、それで問題はなかった。私の本はウクライナ語でもロシアで出版され、ウクライナ語にも翻訳されている」

 

○「今もやはり恥ずかしい。しかしロシア語を話すことが恥ずかしいのではない

ロシアという国が恥ずかしいのだ。

かつては文明的で文化的な国だったのに。いま、ロシアはウクライナ語話者のウクライナ市民のみならず、ロシア語話者で民族的にロシア系の人々までをも殺害している。この苦痛がいつの日か消えてほしいと思う」

 

○「ウクライナ側とロシア側の何人が命を落としたのか。戦争が終わってから、次第に明らかになっていくだろう。私は一刻も早くその時が訪れることを願っている。どれだけ多くの人々が犠牲となったのかを数える時、そして安らかな日々が再び始まる時を」

 

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『秀樹杉松』129巻3902号 2022.3.16/ hideki-sansho.hatenablog.com No.942