秀樹杉松

祖父と孫、禾と木、松と杉

読書

浅田次郎『流人道中記』上・下2冊、を読みました。面白く感動的な小説でした。

新聞の新刊広告ー浅田次郎『流人道中記』(上・下)ーを見て、すぐ書店へ行って躊躇なく購入しました。コロナ騒動で外出もままならない中で、楽しく読みました。『流人道中記』という書名と著者浅田次郎に関心が強かったからです。新聞広告の「男が抱えた罪真…

川越宗一『天地に燦たり』を読む。~秀吉の朝鮮出兵 /『礼記』(らいき) / 儒教の「礼」問答 /「天地ト参ナルベシ」。少し難しかったが、いい勉強になりました。

川越宗一氏の直木賞『熱源』に続き、清張賞『天地に燦たり』を読みました。浅学菲才の私には手に負えない面があるので、最初に専門家の書評を紹介します。(週間読書人ウェブ https://dokushojin.com から)

川越宗一『熱源』(162回直木賞受賞)を読む  ~ 壮大な、国際的な、歴史的な、人間の大ロマン。「生きるための熱の源は、人だ。」(本書p.371) ~

川越宗一『熱源』(文藝春秋 2019刊) 芥川賞の古川真人『背高泡立草』につづき、直木賞の川越宗一『熱源』を読みました。受賞したばかりの芥川賞と直木賞作品を読んだのは、今回が初めてです。読んだ動機は大した理由ではなく、前者は書名の「背高泡立草」…

芥川賞は、(私のような)「大衆」には手の届かぬ背高「純文学」賞でしょうか?! ~ 古川真人『背高泡立草』を読みました。(歌のまねごと) 背が低い オレにはとても  無理なのだ 背高泡立つ 芥川賞

二日前の新聞広告を見て、早速1000円払って雑誌『文藝春秋』を買いました。石破茂さんの「安倍総理よ、このままでは日本が滅ぶ」と、第162回芥川賞を受賞した古川真人(まこと)さんの「背高泡立草」(せいたかあわだちそう)を読みたくて。「おお、石破さんがい…

安部龍太郎『信長の革命と光秀の正義 真説 本能寺』を読む。 ~「戦国時代史の禁断の扉を開く画期的一冊」(表紙カバー)。「光秀単独犯行はありえない」(第一章見出し) 。「光秀も組み込まれた信長謀殺計画」(第1章第12節の見出し)。「近衛前久は、各方面と連絡を取り、『信長謀殺計画』を練り始めた」(本文p.36」。「改ざんと隠蔽とごまかしが、朝廷を守るために必死で行われ続けていた」(p.56)

安部龍太郎 著『信長の革命と光秀の正義 真説 本能寺』(幻冬社 2020.1.30) 久しく遠ざかっていた大河ドラマ。今年の「麒麟がくる」をみています。2月2日の朝刊広告を見て、安部龍太郎著『信長の革命と光秀の正義 真説 本能寺』を買いました。全6章からな…

門井慶喜著『自由は死せず』読みきりました。「明治の元勲・板垣退助、没後100年 その志を令和の世に問う長編歴史小説」(出版社の帯より)

私は一昨年(2018)、門井慶喜『銀河鉄道の父』(158回直木賞受賞)を読み、本ブログ「秀樹杉松」(2018年4月1日号)に感想を投稿しました。その後『家康、江戸を建てる』も読みました。今回の門井慶喜『自由は死せず』は、門井さんの小説3回目ということにな…

横山秀夫『ノースライト』を読みました。横山作品は初めてでしたが、久々の名作に出会えて感動しました。

横山秀夫『ノースライト』を読む 〜ブログ「秀樹杉松」600号記念〜 私の趣味の第一は読書です。従って、人並みに本を読んでおり、小説も愛読しています。だが、横山秀夫さんの著作は今回初めて読みました。横山ファンからはおそらく「何?それで読書が趣味だ…

五木寛之『青春の門』が再起動! 伊吹信介・織江 半世紀ぶりの登場!〜『新青春の門』第九部漂流篇「バイカル湖への道」「シベリア無宿」、、、を感動のうちに読み始めました。

五木寛之さんの大作『青春の門』が、50年ぶりに、 『新青春の門』第九部漂流編として復活しました。驚きと喜びでいっぱいです。 五木寛之『新 青春の門』第九部 漂流篇(2019.9 講談社刊) 表紙カバー

宮沢賢治『フランドン農学校の豚』を読んで、感動し、衝撃を受けました。「家畜撲殺同意調印法」~誰でも、家畜を殺そうというものは、その家畜から死亡承諾書を受け取ること、又その承諾書には家畜の調印を要する、いう布告。豚は「死」を知っている?!

最近宮沢賢治に興味を抱いて、少し作品を読んでいます。それまでは「雨ニモ負ケズ」以外は詳しくは知りませんでしたが、『新編銀河鉄道の夜』『新編風の又三郎』(ともに「新潮文庫」)で、賢治の童話(短編小説)を読んで、感動しています。宮沢賢治は、盛…

よだか(夜鷹)が星になる悲しい童話(短編小説) ~宮沢賢治『よだかの星』を読んで、大きな感動に襲われました~ 。なお、この小説をモチーフにした映画「よだかのほし」(菊池亜希子主演、2012年)もあるんですね。

宮沢賢治の童話(短編小説)『よだかの星』を取り上げます。 解説抜きの読書メモです。なお、末尾にwikipediaさんの解説をのせましたので、ご参照ください。(写真撮影:Atelier秀樹)

「かわいそうだから動物を食べない」vs「動物が可哀そうだとどうしてわかるか。こっちが可哀そうだと思うだけである。豚などが死というような高等な観念を持っていない」〜宮沢賢治の童話「ビジテリアン大祭」を読みました。深刻な問題をめぐる真剣な甲論乙駁が、面白おかしく展開されます。だが、「うまいものを食べさせ熱湯にでも叩き込んでしまえば、豚は大悦び、くるっと毛まで剥けてしまう。われわれはこの方法で、沢山の豚を悦ばせている」には驚きました〜

宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)収録(p.311~369)の 「ビジテリアン大祭」を、興味深く読みました。「童話」なそうですが、「小説」ともいえる、サイコウにオモシロクてタメになる作品です。一読の価値がありますね!

[モダンガール]吉屋信子、中條(宮本)百合子、林芙美子の帝国図書館 ~ 中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、感動しました (8)【最終回】 ~

クスノキ(樟、楠)/ なんじゃもんじゃ 中島京子『夢見る帝国図書館』の読書メモを、7回にわたってお届けしましたが、ブログ投稿は8回目の今回で終了します。(本書はまだまだ続きますが、全部書くと20回ぐらいに達するでしょう。)

宮沢賢治、マティラム・ミスラ、谷崎潤一郎、芥川龍之介、菊池寛  ~ 中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、感動しました (6) 

写真撮影:Atelier秀樹 中島京子『夢見る帝国図書館』読書メモの第6回です。 今回は、宮沢賢治、芥川龍之介、谷崎潤一郎、菊池寛、インド人マティラム・ミスラが登場します。宮沢賢治は同郷・同窓ですが、勉強不足のためよくわからない部分があります。わた…

和辻哲郎、谷崎潤一郎、菊池寛、芥川龍之介、、一高生たちを魅了する、白い化粧煉瓦の帝国図書館  ~ 中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、感動しました (5)~

帝国図書館(現・国立国会図書館 国際子ども図書館」)<wikipediaより> 中島京子『夢見る帝国図書館』読書メモ、第5回です。前回紹介のように「帝国図書館」は、明治39年に東側ブロックの建築だけで開館したが、当時では目を見張るような「威風堂々の古典主義様式の西洋建</wikipediaより>…

上野に待望の帝国図書館が出現! だがまたもや戦費に泣かされる。 ~ 中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、感動しました (4) ~

旧・帝国図書館(現・国立国会図書館「国際子ども図書館」) 『夢見る帝国図書館』(中島京子著) の第4回読書メモです。文部省や図書館関係者の悪戦苦闘の末、やっと念願の「帝国図書館」が上野に誕生しましたが、またもや、、、。

樋口一葉と恋する図書館! ~ 中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、感動しました (3)

『夢見る帝国図書館』(中島京子著) の読書メモの第3回です。 明治5(1872)年創設の日本初の図書館「書籍館」が、幾多の苦難変遷を経て 「帝国図書館」となったのは34年後の明治39(1906)年。 それから戦後の昭和22(1947)年に「国立図書館」と改称するまでの41…

中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、深い感動を覚えました(2)。~東京府書籍館時代、湯島聖堂孔子廟公開 → 東京図書館時代(文部省)、淡島寒月、幸田露伴 → 上野移転、教育博物館に間借り

梅雨に濡れる花 前回に続き、中島京子『夢見る帝国図書館』の2回目の読書メモを、本文になるたけ即した形で紹介します。 草創期の図書館は、文部省(書籍館)→東京府(東京府書籍館)→文部省(東京図書館)→教育博物館と合併して上野に移転、と目まぐるしく…

中島京子『夢見る帝国図書館』を読み、深い感動を覚えました(1)。~福沢諭吉の説明を受け、明治五年、博物館に「書籍館」(しょじゃくかん)が併設され、日本初の図書館が誕生。草創期に苦労しながら活躍する、若き日の永井久一郎(永井荷風の父)。「The Pen Mightier Than The Sword.」(ペンは剣よりも強し)~

中島京子『夢見る帝国図書館』(文藝春秋 2019) 『夢見る帝国図書館』(中島京子著) を書店の新刊書コーナーで見つけ、すぐ手に取ってみました。読書好きの私は日頃図書館のお世話になっているので、書名の「帝国図書館」に引き込まれのです。帝国図書館とい…

うたごえ喫茶 ♪ともしび♪ の司会者 ~金指修平、中西明、山岸あかね、清水正美、小川邦美子、、、、、。

新宿の「うたごえ喫茶ともしび」に行き始めて半年くらい。店の様子・雰囲気も少しはわかり、自分が知っている歌は大声で歌います。「放歌高吟」とはとても言えない「蛮声張り上げて」でしょう。ちなみに、ネットで検索すると「蛮声」は野蛮な大声・下品な大…

大野幸則『「うたごえ喫茶ともしび」の歴史 ― 歌いつづけた65年間』を読む(続)

「うたごえ喫茶ともしび」の65年の歴史なのだから、長いに決まっています。ですから、ある段階・区切りで「以下省略」とすべきを、私は前号において、「この調子だと長くなるので、ここで打ち止めとします。」としました。これは全く合理性にかけた、一方的…

大野幸則『「うたごえ喫茶ともしび」の歴史―歌いつづけた65年間』を読む

本ブログ「秀樹杉松」の前号「ともしび春の大うたごえ喫茶」で、この本を写真入りで紹介しました。その動機は、①著者が「ともしび」の店長、常務取締役、代表取締役を歴任した大野幸則氏であること、②本書の出版(6月3日)を見ずに、4月に永眠されたこと…

平岩弓枝『御宿かわせみ傑作選』(4冊)を読む

平岩弓枝『御宿かわせみ傑作選』(文春文庫)1〜4 同書 蓬田やすひろ 画 歴史小説・時代小説が好きな私ですが、やはり男性作家の作品を読むことが多い。そもそも、女流作家(いまでは女性作家という?)の小説は、古くは山崎豊子、最近では宮部みゆき以外は…

真藤順丈『宝島』を読む ~米占領下時代の沖縄に繰り広げられた「戦果アギヤー」

↑真藤順丈『宝島 HERO's ISLAND』 講談社 2018年刊 書店の新刊書コーナーで分厚い小説・真藤順丈『宝島』を見つけました。直木賞受賞作品で沖縄が舞台。ちょうど橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!これで沖縄は再生する』の読書メモを、本誌『秀樹杉松』に…

内田康夫『孤道』完結編プロジェクト応募(落選)作品:軽井沢康夫『孤道』完結編 ~天皇からの贈り物を運んだ人生(上巻・中巻・下巻)を読む

内田康夫『孤道』完結編 応募(落選)作品: 軽井沢康夫 「~天皇からの贈り物を運んだ人生」 を、「小説家になろう」サイトで読みました。 / Atelier秀樹

橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!これで沖縄は再生する』を読む(17)【完】 第4章「沖縄ビジョンXを実現するためのケンカ道」

<編注> “朝令暮改”も甚だしいですが、前号において橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ』の読書メモは第3章(沖縄ビジョンX)で終了し、第4章(沖縄ビジョンXを実現するためのケンカ道)は全面的に割愛すると書きましたが、取り消します。 膨大な橋下氏の…

橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!これで沖縄は再生する』を読む(16)第3章 沖縄ビジョンX

橋下 徹『沖縄問題、解決はこれだ!これで沖縄は再生する』 朝日出版社 2019年1 月刊 橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!これで沖縄は再生する』を読む のブログ掲載は本号をもって終了とします。難しい政治問題を読んでいただき、ありがとうございました。…

橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!これで沖縄は再生する』を読む(15)第3章 沖縄ビジョンX

旧正月ですね 著者の橋下徹氏は前項の⑭を「単純な辺野古YES、辺野古NOを越えて、沖縄問題の根本を解決すべき手法を考えるべきです」と結んでいました。いよいよ、根源的で具体的な手法の提起に入ります。 / Atelier秀樹

橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ!これで沖縄は再生する』を読む(14)第3章 沖縄ビジョンX

このシリーズは、注目の政治家・橋下徹氏の著書についての私の読書メモです。橋下徹氏の主張・提案に賛否両論があるでしょうが、熟読玩味が必要な「沖縄問題の解決、沖縄の再生策」だと確信しています。 / Atelier秀樹

橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する』を読む(13)  第3章 沖縄ビジョンX

沖縄問題の解決、沖縄の再生にかける橋下徹氏の熱い提案に耳を傾けましょう。 / Atelier秀樹

橋下徹『沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する』を読む(12) 第3章 沖縄ビジョンX

沖縄ビジョンの第4回目です。橋下徹氏の沖縄問題の解決策、沖縄の再生策もいよいよ具体的になってきました。ここまできたら、橋下氏を沖縄県知事から総理大臣に進んでいただくか、いきなり総理になっていただくしかないでしょう。仔細は本書そのものを読んで…